芸術作品の適正利用を推進し、文化の普及発展を目指す新たな取り組み

芸術作品(音楽・美術など)の著作権や肖像権の不適切な使用は、依然として社会的な問題となっています。一般社団法人アートライツ振興会(ARPS)は、こうした問題を解決し、芸術文化の普及と発展を促進するための新たな取り組みを発表しました。

ARPSの革新的な取り組み

ARPSは、世界中の芸術作品(音楽・美術)を網羅するデータベースを構築し、作品の周知と経済活動の活性化を図ります。また、簡便な手続きで作品を正当に利用できる仕組みを提供し、著作権管理に革新をもたらします。

著作権に関する課題

インターネットの普及で音楽の違法ダウンロードが増加し、著作権管理が複雑化しています。また、使用料分配の不公平やデジタル著作権保護の難しさも課題のひとつです。法的対応の費用負担、国際的な管理調整の難しさ、収益分配の透明性欠如、新技術への対応が未整備な状況です。

  1. 著作権侵害の増加
    • インターネットの普及により、音楽の違法ダウンロードやストリーミングが増加し、著作権侵害が頻繁に発生しています。これにより、アーティストや著作権者が正当な収益を得ることが難しくなっています。
  2. 権利管理の複雑さ
    • 音楽作品には作詞家、作曲家、アレンジャー、パフォーマーなど多くの権利者が関与しており、権利の管理が非常に複雑です。特に国際的な利用の場合、各国の著作権法や管理団体の違いがさらに複雑化させます。
  3. 著作権使用料の分配
    • 音楽作品の使用に対して支払われる著作権使用料の分配が不公平であることが問題視されています。特にストリーミングサービスの場合、使用回数に基づく分配がアーティストにとって十分な収益をもたらさないことが多いです。
  4. デジタル環境での著作権保護
    • デジタル技術の進化に伴い、音楽ファイルのコピーや共有が容易になり、著作権保護が難しくなっています。デジタル著作権管理(DRM)技術はあるものの、完全な保護を提供するのは難しいです。
  5. 権利侵害の証明と法的対応
    • 著作権侵害を証明し、法的に対応するためには多大な時間と費用がかかります。特に個人や中小のアーティストにとって、法的措置を取ることは現実的に難しいことが多いです。
  6. グローバルな著作権管理の調整
    • 音楽の利用が国際的になるにつれ、各国の著作権法の違いが障壁となります。国際的な著作権管理団体間の協力が必要ですが、統一的なルールを確立するのは困難です。
  7. 透明性の欠如
    • 著作権使用料の収益分配の透明性が欠けている場合が多く、権利者が自身の収益がどのように計算され、分配されているのか把握しにくい状況があります。
  8. 新しい技術と著作権
    • ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)などの新技術が音楽著作権管理に影響を与えつつありますが、これらの技術に対応するための法制度や管理システムがまだ整備されていません。

新サービス「maaps」のリリース

ARPSは、クラシック音楽やポップスなど、あらゆるジャンルを網羅する楽曲データベース「Music and Art Rights Portfolios (maaps)」をリリースしました。本サービスは、楽曲に関する情報を一元管理し、ユーザーにとっての完全なる楽曲ポータルを実現します。

「maaps」の特徴

  • 多ジャンル対応: クラシック音楽からポップスまで、全てのジャンルの楽曲情報を収録。
  • 集合知による情報提供: 著作権者や一般のユーザーも楽曲情報を提供可能。常に最新かつ正確な情報を維持。
  • 詳細な楽曲ページ: 作曲年、著作管理団体、曲の概要、コンサート情報など、詳細な情報を表示。
  • 楽譜の購入情報: オリジナル楽譜やアレンジ楽譜の購入情報をユーザーが随時登録。

付随的な機能

  • コンサート情報とチケット販売サイトの連携
  • 過去の演奏会情報の検索
  • 多言語対応
  • 楽曲編成からの作品検索

今後の展望

「maaps」は、クラシック音楽に加え、ポップスやジャズなどの情報も充実させ、美術作品情報のデータベース化も進めます。著作管理団体との連携を強化し、著作物管理・保護の充実化を実現します。

ご利用方法

「maaps」はウェブブラウザから簡単にアクセスでき、無料で利用可能です。詳細は公式サイト(https://maaps.me)をご覧ください。

今後も「maaps」は、より充実した楽曲データベースの構築に努め、音楽業界に貢献してまいります。皆様のご利用を心よりお待ちしております。